私はごく平凡なサラリーマン家庭に育ったのですが、厳格な両親の元で生活するのが窮屈になり、実家を離れ生活をしていました。
初めての一人暮らし、仕事が忙しく食事はコンビニ弁当、洗濯は週一回、掃除は月一回とまるで漫画に出てくるようなすさんだ独身生活でした。
そんな生活を見かねた職場の同僚から紹介されたA美。どことなく影のある女性でしたが、聞けば数年前に事故でに両親を亡くし、身よりも無く一人で暮らしているという。
同情では無かったのですがそんな彼女を放っておけないと思いそれ以来A美と度々連絡をとり、付き合う事になりました。
つきあって3ヶ月もするとA美は頻繁に家に来るようになり、洗濯や掃除をしてくれるようになりました。A美の家庭的な一面は私にとってのかけがえの無いものになっていきました。
A美と知り合って2年目。結婚を意識し始めた頃の話です。法事があり実家に行く事になりました。法事も一通り終わり、両親に今の近況を話し、結婚したい女性がいることも伝えると、「両親からはA美がどこで生まれてどこで育ったのか?両親は生前何をしていたのか?親戚はいないのか?」
矢継ぎ早に彼女の事を質問されましたが、実際彼女の事で知っている事といえば誕生日位でした。
しかし、不幸な彼女の過去を聞くこともできず、結婚は二人の問題と思っていた私は両親と言い争いになり自分の家に戻りました。
そんなある日、普段どおり会社に出勤すると私宛に見知らぬ男性から一本の電話。話してみると驚く事にA美の父親だという。
近くにいるので会って話をしたいと言われたが余りにも突然すぎて訳が判らず、とりあえず連絡先を聞きかけなおす事にした。
慌てて彼女の携帯にメールをすると「黙っててゴメンね。後で説明するね」と返信が帰ってきた。彼女の父親である事を確信した私は、意を決して近くまで来ている彼女の父親に会うことにした。
会社付近の喫茶店に行くとそこには見るからにガラの悪そうなスキンヘッドの中年男性。話をしてみるとA美は私と知り合った頃から家出をしているらしく、ようやく探し出したという事だった。
しばらくすると彼女の父親は「A美を探すために仕事を辞めた」「その為に借金がある」と200万ものお金を要求してきた。金額の大きさに戸惑い、丁重に断るとスキンヘッドは見る見る赤く染まり突然形相が変わりました。
A美の父親は喫茶店内で声を荒げ「家出をしている娘に手を出してふざけるな!」と怒鳴り、散々責められ、上司に会いに行くと言い出したのです。
私は怖くなり、預金と定期からの借り入れで200万を渡す事にしました。
仕事が終わり家に帰るとA美の姿と荷物は無く、置手紙がありました。手紙には父親が付き合う男性に何かと理由を付けてお金をせびり、地元にも住めなくなった事が書かれていました。
結局彼女は誰でも良かったのかもしれません、あの時両親に言われたとおり彼女の事をもっと聞いておけばよかったと後悔の毎日です。
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