大阪の
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とある飲食店に通って知り合った男性。彼はその店に新しく雇われたアルバイトでした。年齢も近く、見た目も好み、そしてなによりも優しかったんです。
徐々に仲良くなり、プライベートでも会うようになりました。私は彼が好きになっていました。
ある日、食事をしながら彼が夢を話してくれました。「役者になるのが夢なんだ」
私は夢を語る彼の話に聞き入ってしまいました。熱く夢を語れる彼が更に好きになりました。
彼が夢に進めない理由、「劇団に所属するのに200万かかるんだ、それを稼ぐためにバイトしてるんだけど、こうやって日々年齢を重ねてしまっているのが恐くて。」
彼も28才、焦る気持ちも分かります。そんな彼の力になりたくて、劇団入団費用の300万を貸してあげることにしました。彼は最初拒みましたが、「これはあなたに貸してあげるの、収入が出来るようになったら少しずつ返してくれればいいよ」
そういうと、彼は最高の笑顔で感謝の言葉を連呼してくれました。「ずっとお前を大事にする」そんな嬉しい言葉もくれました。
劇団に入ることが出来、忙しい日々を送る彼、会える時間は減りましたが、活き活きした彼の顔を見ることが出来るのが幸せでした。
2ヶ月くらいたった頃、彼から電話がありました。「実はマイナー映画なんだけど、出演が決まったんだ。これからの道が見えてきた気がする」
自分のことのように嬉しかったです。そんな彼の言葉が続きました。
「実は、その映画に出るには名古屋のプロダクションに所属しなければならないんだ。劇団の稽古でバイトも出来なかったから、お金が無くて。」
彼の話では、プロダクションに身元を保証する保証金300万円、引越しにかかる費用100万円が必要だということでした。
手が届きかかっている彼の夢、なんとか協力してあげたい。そんな思いで、借入をし、400万円を彼に渡しました。
前回同様、最高の笑顔で喜んでくれました。「おれ、お前を必ず幸せにするからな」そういって抱きしめてくれました。
彼が名古屋に引っ越して2週間、全く電話もメールも無くなりました。忙しいから邪魔したら駄目だと我慢してきましたが、どうしても彼の声が聞きたいと、深夜に電話してしまいました。
彼の電話は解約されていました。
このときはまだ気付きませんでした。彼の身に何かあったのかと心配で眠れなくなりました。
翌日仕事を休み、彼の教えてくれた名古屋のアパートに向かいました。彼の部屋は205号室、彼の教えてくれたアパートには204号室までしかなく、手がかりが無くなってしまいました。
その後、彼が所属したというプロダクション、入団した劇団と訪問しましたが、全て彼の嘘でした。そんな人はしらないという話でした。
ここで騙されたことに気付いたんです。もちろんアルバイト先に出していた履歴書の経歴も全て嘘。私はこの世存在しない人に恋し、お金を貸してしまっていたんです。
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